母親の想いが詰まった手作りお菓子を作っています。
甲州街道のむこうから大国魂神社までのそれは見事なけやき並木。
何百本ものソメイヨシノが途中アーチを作り1キロ以上続く桜通り。
あなたがおなかにいる時、体重を増やしすぎないように良く歩きました。
「こんなに日本人を喜ばせる花は他にない。『さくら』がいいな」「それじゃ寅さんでしょ」。
名前を決めたのも夜の散歩で桜のトンネルをお父さんと歩いている時だったと覚えています。
桜子、あなたは桜の街、東京の府中市で生まれました。
3歳の時北海道へ移住。それから20年以上ずっと札幌育ち。おっとりとした性格が幸いして友達は多いみたいですね。職場の上司や先輩に可愛がっていただき、後輩にも頼りにされて社会人として充実した日々を送っているようですね。 飲み会にはよく行ってるみたいだけど、「大切な人」の気配が全然なくお父さんがちょっと心配しています。いつ、どんな人を連れてくるでしょうか。どんな結婚式をするのでしょうか。
私たちは箱根のホテルでみなさんにお泊りいただいて浴衣で宴会、引出物は熱海のあじの干物という結婚式でした。お越しいただいたほとんどの方と今も行き来させていただき、プライベート、商売と色々な場面で深くお世話になっている方も。自分たちらしく、おもてなしの気持ちが伝わる結婚式をしてください。人とのつながりを大事にしてください。結婚式をお祝いしてくださるほどのつながりのある方ならなおさらです。「出会い」や「ご縁」の大切さは時が経てば経つほど実感させられるものです。
私、一昨年から「出会い」という名前をつけたお菓子を焼いています。あなたの好きなビーネマヤの岩川シェフに教えてもらったので味は間違いないと思います。あなたが小さい頃から通っていたお店のシェフと並んでお菓子を焼く日が来るなんて夢にも思っていなかったことです。こんなご縁もあるのですね。
良い材料やプラスひと手間の手作業でないと出せない味があります。マーガリンやショートニング等トランス脂肪酸を含む危険な食品を使わない。製造工程で添加物を加えない。これから子供を産むあなたやあなたの子供に良くないと思われることはできる限り排除する。そのあたりを大事にしています。
そして、「あなたのその日のおもてなしにふさわしいお菓子」をイメージして、手伝ってくれるみなさんと丁寧に丁寧に作っています。
お菓子に添えて 娘へ 母より
インコントロ スイーツファクトリー 代表取締役パティシエ−ル 伊徳 恵里子