ヨーグルトを使ったお菓子を。生産者と手を携えて。
2年前、当時はまだ自社工房を持つ計画もなく、オホーツクで有名な牧場系メーカーの社長さんに頼まれ、その牧場のヨーグルトを使ったケーキの共同開発プロジェクトに企画と販売の立場で参加しました。結局商品化までは至らないままプロジェクトは解散しましたが、参加者全員が顔を見合わせるほど、ものすごく美味しい試作品ができたことがありました。解散になりもう時効なので明かすのですが、実は預かっていたその牧場の試作用材料が切れたので、自宅にあったクリーマリー農夢の佐竹さんのヨーグルトを使って作ったものでした。使うヨーグルトでお菓子の仕上がりがかなり違うことを知りました。
佐竹さん
佐竹さんのヨーグルトを使ったお菓子はそれ以前から試作研究していました。ヨーグルトを使った分、チーズや生クリームの使用量を抑えることができ総カロリーも抑えられヘルシー、乳酸菌は体に良い働きをたくさんしてくれる等の理由もさることながら、単純に佐竹さんのヨーグルトの美味しさをそのまま生かしたお菓子が作りたいとの思いからです。
良質のヨーグルトは水を切ってやるとクワルクチーズのような状態になります。全国販売されている大手メーカーのヨーグルトでは残念ながらそこまでにはなりません。
(こちらはよつ葉乳業さんのヨーグルトを水切りしたもの)
しかし、佐竹さんの牧場には牛が7頭しかおらず、夏の暑い時期や出産期前には牛乳の出荷量が大幅に減る年もあります。良く話し合い、供給量にあった分だけを作ることが出来る商品が出来た時、佐竹さんのヨーグルトを使わせていただくことにしました。
現在作っているチーズケーキとマドレーヌには水切りにした時の味も品質も佐竹さんの次に良かった、よつ葉乳業さんが酪農家指定で作る「北海道十勝生乳100%ヨーグルト」を使用させていただいています。北海道内で入手可能なあらゆるヨーグルトでお菓子を試作し、チーズケーキとマドレーヌに適した味であることと、安定して供給していただけることを考慮した結果の選択です。
ヨーグルト以外のバター、砂糖、小麦粉等の主要な原材料にしてもピュアなものとそうでないものとでは仕上がりに大きく差が出るように感じています。感じる方と感じない方がいるのでそこまではこだわらないのが大手の物作り、私たちは感じてくださる方が必ずいらして、その方が媒介となり口コミで回りの感じてくださる方に徐々に伝わることをイメージしておりますので原材料の選定に決して妥協しません。
使用する原材料の違いでお菓子やパンの加工品の仕上がりに大きく違いが出ることを私たち加工メーカーが証明し、「いつか牛乳に等級を」とおっしゃる佐竹さんの後方支援ができればと思っています。佐竹さんをはじめ、良い農作物を作る農家や北海道の農作物を生かしたピュアな加工品を作る原料メーカーの方々と手を携えながら商品作りを行っていきたいと思っています。
ちなみに佐竹さんのヨーグルトと牛乳を使ったスペシャルなスイーツは只今試作中です。たくさんは作れませんがきっと喜んでいただける品に仕上げていきます。加えて、チーズやヨーグルト作るときに出る副産物のホエーを生かすことも研究中です。乞うご期待。